今のところ、各メディアや識者のGoogleフォトに対する評価は概ね好評のように見受けられます。たしかに、完璧なサービスを求めれば問題となりうる要素(データの圧縮保存など)は存在します。しかし、このサービスが主なターゲットとしているのは、ライトなスマホユーザーです。 iPhoneやAndroidスマホで自撮りを楽しみ、写真を撮ると言えばスマホカメラで撮影することを意味するユーザー層からは、特に問題だと認識されないでしょう。Googleフォトは、そのような数としては圧倒的なライトユーザー層にとって、現時点で”最強”と表現しても過言ではないサービスに仕上がっているからです。 Googleフォト 「Googleマップは最高だ」と感じる6つの瞬間

Googleフォトがスマホユーザーにとって最強の写真保存サービスである4つの理由

なぜ、Googleフォトがスマホユーザーにとって最強の写真保存サービスとなりうるのでしょうか。

理由1:Googleアカウントで利用できる

利用開始時の障壁が非常に低いのがGoogleフォトの大きな特長のひとつ。Googleサービスを利用している膨大な数のユーザーが、非常にスムーズにGoogleフォトを使えるためです。 前身サービスのGoogle+フォトで必要だったGoogle+へのアカウント登録は、Googleフォトでは不要になりました。Googleアカウントさえあればすぐに使え、自分にとって不要なサービスを利用せずに済みます。

理由2:無料かつ容量無制限で高品質のバックアップが可能に

写真と動画のアップロードサイズを「高品質」に設定すれば、1600万画素の写真と1080p動画を無料かつ容量無制限で保存できます。このピクセル数は、ほとんどのスマートフォンのカメラが枠内に収まるサイズであり、一般的な大きさでのプリントで十分な画質を保つことができます。 日常的にスマホのカメラを使い、写真を印刷し、FacebookやTwitter、インスタグラムなどにシェアしている数多くのユーザーにとって必要十分な無料サービスとなっています。

アップロードサイズは次の2種類から選択できます。 この点、アップロードサイズで「高品質」を選択すると、サイズ内の写真であっても必ず圧縮される仕様となっています。 もっとも、圧縮された場合でも、画質はほとんど劣化しないとされています。その程度の圧縮すら許容できないユーザーは、そもそも対象ユーザーではないということかもしれません。言い換えれば、Googleフォトの品質で満足できるユーザーならば、Googleフォトは実質的に無料かつ無制限で写真をバックアップできるサービスということになります。 ここで重要なのは、端末の空き容量を確保しやすくなるという視点。PCのハードディスクに保存せずとも、Googleフォトに写真を全てバックアップしてしまえば、端末上からファイルを削除できます。iPhoneの16GBモデルのようにストレージの容量が少ない端末のユーザーは、ひっ迫しがちなストレージ容量を気にせずに写真や動画を撮りためることができるのです。

理由3:アシスタント機能の存在

Googleフォトには、自動で写真をまとめたり、加工してくれたりする機能があります(ストーリー、アニメーション、コラージュ、ムービー、パノラマなど)。パノラマ以外は手動で作成することも可能。

また、Googleフォトにはフォルダの概念はありませんが、アルバムを適宜作成することで自分好みに写真を分類できます。

理由4:優秀な自動分類機能(検索機能)とその将来性

Googleと言えば検索。検索と言えばGoogleです。Googleフォトでは、人工知能を活用した写真の検索機能が前面に押し出されています。

検索しようとすると、場所・物・人物ごとに分類された形で一覧表示されます。場所なら「Sumida」「Edogawa」「Kamakura」のように位置ごとに分類表示され、物なら「空」「花」「超高層建築物」のように被写体ごとに分類表示されます。人物では、顔認識機能によって写っている人物ごとに整理される上、幼少期から大人になるまで変化していく顔であっても1人の人物として時系列で表示します(残念ながら現在、日本では人物の分類はできません)。 また、この検索機能がすごいのは、キーワード検索によって適切な写真をそれなりの確度で拾い上げられるところ。たとえば、「犬」と検索すれば犬の写真が表示され、「赤ちゃん」と検索すれば乳幼児の写真が表示されるといった具合です。

この検索機能はまだ完璧だとは言えませんが、今後さらに機能が向上していくことが見込まれます。そう遠くない将来、人間が判断した場合と同程度の認識性能を備えるようになるはずです。 Googleフォトが最強であると考えられる第一の理由は、この検索機能の将来性にあります。「人間」のように分類して「機械」として精密かつ高速に検索する技術が、写真の管理方法を変えてしまう可能性があるのです。つまり、写真は分類・整理するものではなく、後から探せばいい(そして、的確に探し出せる)ものだという流れが生み出されるということです。

この点、写真の管理手法の変化は、ウェブ検索の変遷と似た経過を辿るのではないかと筆者は睨んでいます。かつて、ウェブの情報を探し出す機能として、ヤフーに代表されるディレクトリ型検索エンジンが主流だった時代がありました。人手をかけて多数のウェブサイトを整理整頓していたのです。 しかし現在では、検索と言えば普通、Google検索に代表されるロボット型検索エンジンを指すようになっています。ウェブの情報はキーワードで検索して見つける時代に移行したわけです。写真の情報整理においても、検索エンジンの変遷と似たような現象が起きるのではないでしょうか。

Googleフォトを使う上での注意点

Googleフォトを使う上で、いくつか注意しておくべき点があります。 まず、前述のとおり、基本的に写真・動画は圧縮してバックアップされます。画質はそれほど劣化しませんが、気になる人はGoogleフォト以外の手段でバックアップしておいた方がよいでしょう。 次に、Googleフォトでは、クラウドから写真・動画を削除すると端末上からも削除される仕様になっています。不意打ちを食らわないように気をつけましょう。 知らないとマズい、「Googleフォト」で写真を削除すると同期している端末上からも消える事実とその対策 最後に指摘しておきたいのは、このGoogleフォトはGoogleのサービスであるということです。よって、Googleの利用規約に違反するような写真をアップロードすると、アカウント停止などの危険性が出てきます。 また、アップロードした写真は、個人を特定しない形でGoogleの研究開発に利用されるとともに、広告事業への活用もなされるだろう点に留意しておく必要があるでしょう。 「Googleフォト」の使い方 超入門──初期設定から写真・動画のバックアップ、共有、アルバム作成、ダウンロード、PC版の活用まで

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