スマホ決済サービスにおける各社の競争が加速する中、2019年4月に満を持して参入したのがKDDIの「au PAY」です。最近ではauユーザー以外も利用できるようになり、これまで以上に利用者数や加盟店が拡大していくと予想されます。 本記事ではまず、au PAYの利用メリットやポイント還元率、使えるコンビニ・加盟店などについてわかりやすく整理。その上で、登録や設定といった始め方から、チャージや支払いなどの使い方を解説します。

「au PAY」とは? その特徴と利用メリット

「au PAY」は、KDDIグループが2019年4月から提供開始したスマホ決済サービスです。 これまでは、「au WALLET アプリ」のなかの一部機能として「au PAY」という名前のQRコード決済機能が存在していましたが、2020年2月4日からはアプリの名称が「au PAY」に変更されています。

auユーザー以外も利用できる

以前は、au PAYの利用には、au回線を契約している必要がありました。しかし2019年8月28日より、au回線を契約していない他キャリアのユーザーでもau PAYを利用できるようになっています。また、これまでauユーザーしか発行できなかった「au WALLET プリペイドカード」も、じぶん銀行の口座を持っていれば発行可能となりました。 auユーザー以外がスマホ決済au PAYを使うには、電話番号が付与されたスマートフォン・タブレットと、メールアドレスの登録により発行する「au ID」が必要です。なお、対応OSは以下のとおりです。

決済額に応じてWALLETポイントが還元される

au PAYで支払うと、3~4日後に1回の決済分の「WALLETポイント」が付与されます。その還元率は、月額499円の「auスマートパスプレミアム会員」とauユーザー以外を含む通常会員でかなり差が出ます。 ただauスマートパスプレミアムは、au回線を契約しているユーザーのみが加入できるサービスです。通常会員は三太郎の日の恩恵を受けられないので、大型キャンペーンなどがない限り特典面でのメリットが薄いのが現状。 また、10月1日からスタートした「キャッシュレス・消費者還元事業」により対象店舗でau PAY決済をすると、以下の還元率に加えてさらに2%か5%がプラスされます。詳しくは以下の特集をご確認ください。

全国約100万カ所で利用可能

au PAYは、全国約100万カ所で利用可能なスマホ決済です。上のステッカーが貼ってある店で利用できます。後発ながらもかなりのスピードで加盟店を増やしており、主なコンビニチェーン店であればすべてで使えます。 また、一部の楽天ペイ(アプリ決済)の対象加盟店においても、au PAYの利用が可能となりました。今後も加盟店数がより増加していくことが見込まれるでしょう。

au PAYの利用に必要な初期設定(登録)

au PAYの利用に必要な作業は、au回線を契約しているユーザーとそれ以外のユーザーとで異なります。 松屋、目利きの銀次、サンドラック、スギ薬局、welcia、IKEA、メガネスーパー、ヤマダ電気。ビックカメラ、コジマ、ソフマップ、Joshin、ケーズデンキ、島村楽器、ゲオ、earth music&ecology、Right-on、ジャンボカラオケ広場、ビッグエコー、自遊空間 au PAY:アプリ決済が使えるお店

au回線を契約している場合

auを契約している人がau PAYを利用するには、「au WALLET プリペイドカード」の申込みが必須となります。 au WALLETプリペイドカードとは、世界中のMasterCard加盟店やWEBサイトでクレジットカードとほぼ同様に使えるプリペイド(前払い式)のプラスチックカードです。条件さえ当てはまれば、審査不要・年会費無料で発行できます。なお、じぶん銀行の口座を持っていれば、au回線の契約者以外も発行できます。 申し込み後、自宅にau WALLET プリペイドカードが届いたら、同封の手順書どおりにカードの利用開始手続きと、au PAYの利用規約への同意をすると、ようやくau PAYが使えるようになります。 もちろん、これまでau WALLET プリペイドカードを使用していた人であれば、au PAYの利用規約へ同意するだけでOKです。

そもそもau PAYは、従来のau WALLETプリペイドカードの決済機能を、スマホでも使えるようにしたものです。そのためauユーザーは、ベースとなるau WALLETプリペイドカードとauPAYを連携させなければ、決済システムを使えない仕組みになっているのでしょう。 ちなみに、au WALLETプリペイドカード、au PAYのどちらを使って決済をしても、共通のWALLET残高から支払われます。

au以外の回線を契約している場合

一方、auを契約していない人は、au WALLETプリペイドカードの申し込みは不要。au WALLETアプリのダウンロードと、au IDの発行、au PAYの利用開始手続きをすれば、すぐにau PAYを使えます。

1au IDを発行する

au WALLETアプリをインストールしたら、[au IDを新規登録する]をタップします。続いてメールアドレスを入力し、[確認メールを送信]ボタンを押してください。 なお、ここで入力したメールアドレスが「au ID」となります。入力したメールアドレス宛に数字6桁の「確認コード」が送付されるので、確認後入力し[次へ]をタップ。

確認コードが認証されたら、パスワードを半角数字6文字以上で設定しましょう。生年月日、性別などの必要情報を案内に従って入力し、[次へ]を押してください。 最後に「新規登録が完了しました」と表示されれば、au IDの発行は完了です。

2au WALLETアプリにログインする

続いて、先ほど発行した「au ID」でau WALLETにログインします。二段階認証を有効にする画面でチェックを入れて、個人情報などの利用規約に問題なければ[同意する]ボタンをタップして進みましょう。

3au PAYの利用開始手続きをする

au WALLETにログインできたら、中央の[au PAYを使う]をタップします。電話番号の入力とSMS認証が求められるので、案内に従っておこなましょう。

あとは必要情報をすべて入力し、登録完了画面が表示されればau PAYの利用開始手続きは完了です。

au PAYにチャージする方法

au PAYを使うには、事前に「WALLET残高」にチャージしなければなりません。WALLET残高へのチャージ方法は、クレジットカード、現金、WALLETポイントや携帯料金との合算払い(auかんたん決済)など豊富に用意されています。 ただ、チャージ方法ごとに利用できる条件があり、チャージ最低金額や上限金額、また利用できる機能とできない機能があるなど、かなり複雑な仕組みになっています。 それぞれのチャージ方法の詳細や比較は、以下の記事を参照ください。

au PAYでの支払い(決済)方法

au PAYは、基本的にアプリ上でQRコードの表示/スキャンをすることで決済します。さらに、au WALLET プリペイドカードを持っている人は、ApplePayに登録してQUICPay加盟店での非接触型決済の利用や、オンラインショップでの決済も可能です。

QRコードを表示して支払う

auWALLETアプリを起動し、メニューから[au PAY]を選択してください。なお、初めてau PAYを使うユーザーは、最初に利用規約への同意が求められます。 利用規約に同意すると、au PAY画面にQRコードが表示されます。

あとは、支払い時にレジ店頭スタッフへ「au PAYで」と伝え、このQRコードを読み取ってもらうだけです。支払いが完了すると、決済した店舗名と支払い額、それに獲得ポイントが表示されます。

QRコードをスキャンして支払う

指定ステッカーや共通QR台紙が提示された対象店舗において、QRコードをスキャンする(読み込む)ことで決済ができる機能も備わっています。

使い方はいたってシンプル。レジで店頭スタッフに「スキャン支払いで」と伝えた上で「au PAY」タブから[スキャン支払い]を選択し、店舗に設置されたQRコードを読み込みます。会計金額を入力する場合は入力し、OKボタンをタップすれば支払い完了です。

au WALLETプリペイドカードがあれば非接触型決済やオンライン決済も可能

auユーザーやじぶん銀行の口座所有者のみ発行できる「au WALLETプリペイドカード」があれば、利用シーンがかなり広がります。世界約4330万あるMasterCard加盟店で使えるほか、iOSユーザーであればQUICPay加盟店で非接触型決済を利用できます。 また、クレジットカードのMasterCard、またはWebMoneyが使えるサイトでau WALLET プリペイドカードの情報を入力すれば、オンラインショッピングでの決済が可能です。

依然として「使う人を選ぶ」スマホ決済

2019年8月28日より、au回線を契約していない人でもau PAYを使えるようになりました。しかし、依然として機能の制限が多く、個人的には使う人を選ぶスマホ決済だと感じます。 逆にいうと、メリットが最大限得られる「auユーザー」と「じぶん銀行ユーザー」は使って損はないでしょう。 これらのユーザーは便利なオートチャージ機能を使えるうえに、じぶん銀行ユーザーであればWALLET残高の送金・払出機能が使えます。また、ポイント還元率が大幅にアップする「auスマートパスプレミアム」に加入できるのも、現時点ではauユーザーのみです。さらに、非接触型決済やオンラインショップでの支払いなど、利用シーンが圧倒的に広がる「au WALLETプリペイドカード」を発行できるのも大きな強みです。 今後は、全利用者を対象とした手厚い特典や、大規模なポイント還元キャンペーンを期待したいところです。

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