Spotifyといえば、全世界で3億6500万人ものユーザーを抱える、世界最大手の音楽配信サービスです。一方のApple Musicは9000万曲以上の音源をすべてロスレス化、空間オーディオをサポートするなど、大きく刷新しています。 メリットとデメリットをしっかり把握したうえで、自身にぴったりのサービスを選択しましょう。 Familyプランが6人用というのはApple Musicと同じですが、料金は100円高くなっています。ただし、こちらは家族で楽しめる「Family Mix」(プレイリスト)や、子ども向けの専用アプリ「Spotify Kids」が含まれています。 以前は洋楽のSpotify、邦楽のApple Musicと言われていた時代もありましたが、現在では見る限りさほど違いがないようです。 違いがあるとすれば、レコメンド機能でしょう。どちらも曲を聴いたり、お気に入りを付けたりすることで、曲の好みを学習していきます。再生した曲やお気に入りの傾向から、ユーザーの好みに合う音楽をおすすめしてくれるのがレコメンドです。 また「Radio」機能を使うと、選択したアーティストの作品やジャンル、年代などをもとに、好みの音楽を自動選曲してくれます。 Apple Musicでも、ユーザーの好みを反映させた「今すぐ聴く」があります。自分用のステーションや、好みのアーティストと似たアーティストを集めたステーションが常に再生可能です。Spotifyほどピンポイントではありませんが、何も考えず好みの曲を聴き続けられます。 これらの音質で音楽を楽しむのは一部のマニアだけというイメージでしたが、Apple Musicが9000万曲すべての楽曲をロスレス化(ハイレゾロスレスは一部)したことで、一気に一般化しそうです。 Spotifyは今のところ、320kbpsの不可逆圧縮形式で配信しています(無料プランは最高160kbps)。音質としては普通ですが、ロスレスオーディオが標準になると見劣りするかもしれません。 ただ、2021年後半には高音質ストリーミング「Spotify HiFi」がスタートする予定です。品質については、CDクオリティのロスレスオーディオ(1411kbps)とされています。ハイレゾへの対応や料金は不明ですが、Apple Musicとの音質面での差が小さくなるのは確実です。 AIのレコメンドにはポッドキャストで再生した履歴も含まれるので、音楽とポッドキャストが1カ所で楽しめるのは、大きなメリットになります。 ポッドキャストのコンテンツは音楽が中心ではありませんが、語学の学習などに使えるコンテンツも豊富です。音楽に飽きたらポッドキャストを聴く(流す)といった使い方ができるのは、Spotifyの魅力です。 ボーカルの音量は大きくすることも小さくすることも可能です。「LINE MUSIC」のように、リバーブをかけられるといった機能はありませんが、イヤホンが不要なので気軽に練習できます。 カップルで利用するときは、それぞれがよく聴く音楽をミックスしたプレイリスト「Duo Mix」が利用できるのもうれしいところです。相手にも聞いてほしい曲をさりげなくアピールできます。 Familyプランでも同様のFamily Mixが利用できます。ドライブに行くときなどにFamily Mixを再生すれば、家族のみんなが納得する選曲で音楽を楽しめるわけです。 これまでの音楽は、LRに振り分ける2ミックスが主流でしたが、そこに奥行きが加わることで、アーティストや音源の位置が感じられるようになります。具体的には、部屋の中心にいて音楽を聞いているかのような音楽体験になります。 高音質化はよほどのことがないと、はっきりわかりません。ドルビーアトモスはその点、誰でも空間の広がりを感じられ、インパクトが大きいです。ソニーの「360 Reality Audio」と並び、立体音響は現在の大きなトレンドの1つとなっています。 日本発のコンテンツは3つと少ないですが、うち2つは更新も頻繁で、アーティストのインタビューなど聴き応えのある内容です。ポッドキャストはありませんが、今のトレンドを押さえるのにちょうどよいでしょう。 また、CellularモデルのApple Watchを持っているなら、iPhoneがなくてもApple Watch単独でApple Musicを聴くことが可能です。GPSモデルであっても、アプリをいちいち操作せずにApple Watch上で楽曲を再生でき、慣れてしまうと手放せません。 そのほか、Apple TV、HomePod、さらには対応のカーナビまで、Apple Musicを楽しむさまざまな機器が用意されています(ただし、複数の端末で同時に再生するにはファミリープランが必要です)。 しかし、インポート操作はデバイスごとに必要です。インポートした楽曲は「お気に入り」にまとめられてしまい、アルバムやアーティスト名などで管理できません。また自分の曲をプレイリストに追加することも不可能です。クラウドを利用してデバイス間で楽曲を自由にストリーミング再生できるApple Musicと比べると、制限があります。 高音質な分、データ量は通常の高音質の楽曲に比べて、ロスレスで約6倍、ハイレゾロスレスは約24倍にも増えます(曲によりさらに大きくなるものもあります)。ロスレスほどではありませんが、ドルビーアトモスも約2倍のデータ量です。 通信量、容量ともに消費量が大きく、モバイル環境での再生に向きません。またダウンロード再生の場合では、ストレージを圧迫する原因になります。 また、AirPodsやAirPods ProなどのBluetoothのスピーカー・ヘッドホンでは、ロスレスオーディオになりません。Apple製品同士であっても、ロスレス対応とはならない点は注意が必要です。 ロスレスオーディオを再生するには、有線のヘッドフォンなどを接続する必要があります。通常のロスレスオーディオであれば、「Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」を利用してスピーカーやヘッドホンに接続すればOKですが、48kHzを超えるハイレゾロスレスを再生するには、デジタル/アナログコンバーター(DAC)を内蔵したアダプタが必要です(なくても楽曲の再生はできますが、ハイレゾになりません)。 つまり、メリットを最大限に利用したいなら、多少の追加費用が発生する可能性があります。 比較の切り口はほかにもあるため、実際に利用して確かめるのが一番ですが、どちらを選んでも音楽ライフが充実すること間違いなしです。 充実したプレイリストや精度の高いレコメンド機能で、新しい音楽に次々と出会えます。ポッドキャストが統合されたことで、音楽も音声コンテンツもこれ1つでOK。さらにiOS、Android、Mac、Windowsと、プラットフォームを区別することなく利用できる安心感があります。無料で楽しみたい人はもちろん、とりあえず音楽配信サービスを利用したい人にぴったりです。 またiPhoneやMacのユーザーなら、他にもいくつかAppleの製品を所有しているかもしれません。Apple Musicは、Appleの他の製品と親和性が高く、機器同士がスムーズに連携できます。クラウドを利用してiTunesのライブラリと連携できるのは、Apple Musicだけが享受できる機能です。身の回りのデバイスをiPhoneやMacで揃えているなら、Apple Musicを選んで後悔することはまずないでしょう。

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